見せかけで取り繕った子供時代

滋賀の田舎で生まれて10歳の時に京都よりの大阪に引っ越ししました。
馴染んだフリをして学校ではいじめに合わないように周りに合わせて生きて来ました。部活動でようやく上辺だけの付き合いではない友達ができて、中学生活が楽しくなりました。
いじめには遭わなかったものの、大失恋したことから、高校は私立の女子高に通うことを決意。エスカレーター式の大学受験に、大して苦労せずに合格して短大に通い、クラブやバイト、車の免許取得に追われて勉強はあまりしませんでした。
将来これといったやりたいことも見つからないまま就職活動を始め、近所の住宅メーカーに就職。
2009年のことでした。慣れ親しんだ大阪の実家で愛犬を看取り、南堀江で一人暮らしを始めた私に携帯電話の壁紙デザインのオファーが届きました。それ以来、1日3〜5時間の製作を始めて、毎日色んな無料写真を探してきては加工していました。
しかし3年間で頂いた報酬は１万円にも満たなかった事もあり、チラシでWebデザイナー養成講座を見つけ、グラフィックデザイナーには見切りをつけてWEB業界へと進みました。
プログラミングの世界は厳しいものでした。４ヶ月と続かなかった私ですが、30代独身、首都圏在住という状況を活かすには、やはり社会に沿う生き方が一番無難だと考えたので、自立をすることを第一に生きることにしました。

大阪から横浜に移住してからも、年齢のせいもあってかいつも家を出たいと考えていました。
当時、結婚を考えていた人がいましたが、破談になり、仕事に情熱を傾ければまたすぐに新しい恋愛に踏み出せると思っていました。
しかし、その時もまだ本当の自分の事が解っていませんでした。Webデザイナーの職業訓練校に通い始めると、東京出身のクラスメイトに出会いました。その時に初めて関東で心の内を話せる女の友達に出会い、年はもう35歳になっていましたが、仕事で輝けば、恋人もすぐ見つかってステキな人生が始まると思っていました。
訓練校で出会った友達とは、10歳離れていたのに、すぐに打ち解けました。人見知りで内気で自己肯定感の低い私が、直ぐに打ち解けられたのは、ただ教室で一緒に時間を過ごしたからだけではありません。
授業での自己紹介と休憩時間のコミュニケーション、帰り道の雑談の時間。それらが私たちの心を紬ぎました。